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旧東ドイツで右派AfDが躍進、背景に「2級市民」意識と東西格差

旧東ドイツで右派AfDが躍進、背景に「2級市民」意識と東西格差

ドイツ統一から30年以上が経っても、旧東ドイツの住民の間には「旧西独に見下されてきた」という不満が根強く残っています。この不満を受け止める形で、強硬右派政党「ドイツのための選択肢(AfD)」が東部で第1党を相次いで獲得しています。読売新聞は、こうした右派の伸長がドイツだけでなく英国やフランスの旧工業地帯にも広がっていると伝えています。

内容

旧東独の州議会選でAfDが第1党に

読売新聞によると、AfDは9月に旧東ドイツのザクセン・アンハルト州で行われた州議会選で第1党となり、党として初めての州首相の選出を視野に入れています。日経ビジネス電子版は、この選挙でAfDが得票率43.8%で圧勝したと報じています。旧東独の5州のうち3州でAfDが第1党となり、残る2州でも第2党につけています。ドイツ全土を対象にした調査でも、AfDの支持率は首位です。AfDは極右思想の疑いがあるとして、連邦憲法擁護庁の監視を受けています。

「2級市民」と感じる背景

記事が取り上げたブランデンブルク州アイゼンヒュッテンシュタットは、1950年代に国営製鉄所の労働者のための計画都市として造られました。1990年の統一後は若者が進学や仕事を求めて旧西独へ移り、人口は1980年代の5万人から半分になりました。平均年齢は約50歳で、巨大団地は取り壊されて更地になっています。

統一の前、当時のコール西独首相は旧東独が「花咲く風景になる」と約束しました。しかし2024年の旧東独5州の平均月収は3973ユーロ(約70万円)で、旧西独地域の8割ほどにとどまります。民営化された国営企業の多くは西独の実業家に買収され、「西独による搾取だ」という感情が残っています。公共放送MDRが昨年9月に東部3州で行った世論調査では、81%が「自分は2級市民だ」と答えました。

AfDは「古き良き東独を取り戻す」と訴え、生活苦の原因は国際協調や移民にあるとして中央政府を批判しています。支持者には、政権を担う中道政党は「現状維持勢力」、AfDは「改革勢力」と映っているといいます。

旧西独の製造業地域にも支持が拡大

支持は旧西独にも広がっています。自動車産業が集まる南部バーデン・ビュルテンベルク州では、電気自動車(EV)への転換の難しさや中国メーカーとの競争で業界が苦しんでいます。今年上半期の業界の従業員数は前年同期比5.8%減の約69万人で、2005年以来の低い水準です。AfDは3月の同州議会選で、EUの脱炭素政策を「諸悪の根源」と主張しました。得票率は倍増し、第3党になりました。州統計局の分析では、製造業で働く人の割合が高い選挙区ほど、AfDの得票率が高い傾向が出ています。

他党の対応と今後

東洋経済オンラインは、議席を半減させた政権与党CDUが、AfDと組むか拒み続けるかで悩んでいると報じています。政府や他党がAfDの支持拡大の理由をどう見ているかは、現時点で明らかになっていません。AfDの州首相が実際に誕生するかどうかも、確定していません。

英仏の旧工業地帯でも同じ流れ

英国では、右派ポピュリスト政党の改革党が2025年のドンカスター議会選で7割近くを得票しました。この地域は長く労働党の地盤でした。フランスでは、国民連合のルペン氏が北部の旧工業地帯を拠点に支持を固めています。来春の大統領選に関する各種世論調査では、ルペン氏がトップに立っています。

出典:読売新聞オンライン(@Yomiuri_Online)(X)

注目ポイント

ナチスの反省から強硬右派を強く警戒してきたドイツで、戦後初めて極右政党の州首相が生まれるかどうかが焦点になっています。支持の理由が移民問題だけでなく、統一後も続く格差や「見下されてきた」という尊厳の問題に根ざしている点も関心を集めています。米国のトランプ大統領や英仏の右派政党と同じように、旧工業地帯の不満が欧州の政治の構図を変えつつあることも注目されています。

ネットでの反応

ネット上では、問題の核心は経済よりも「尊厳」にあるという受け止めが目立ちます。豊かな隣人を間近に見ることで不満が強まるという、他者との比較を指摘する声もあります。一方で、月収約70万円が「低い」とされることに驚く反応や、日本の非正規労働者と比べる投稿も見られます。

記事は東西格差と旧工業地帯の衰退を中心に伝えていますが、ネット上の議論は移民と賃金の関係や左派政党の対応のあり方へと広がっています。不満を特定の集団への敵意に向けるやり方を批判する意見もあれば、生活の苦しさを訴える人々をすくい上げられなかった既存政党の責任を問う声もあります。朝鮮半島の統一の難しさを重ねる反応もありました。

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