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防災メール不正アクセス、105時間の攻防を運営元が分単位で公表

防災メール不正アクセス、105時間の攻防を運営元が分単位で公表

自治体向け防災情報配信サービス「SpeeCAN RAIDEN」などへの不正アクセスについて、運営元が攻撃開始から全サービス復旧までの約105時間の経過を分単位で公表しました。侵入経路を遮断した後も、仕掛けられていたバックドアから約142万通の不審なメールが外部へ送られていました。各地の警察や自治体でも、職員などの情報が漏えいした可能性が相次いで報じられています。

内容

何が起きたのか

自治体が防災情報の配信に使う「SpeeCAN RAIDEN」などのサービスが不正アクセスを受けました。運営元は10月19日、攻撃者の動きと自社の対応を分単位の時系列で公表しました。被害を受けた企業がここまで細かく経過を明らかにする例は珍しいと報じられています。

いつ、どの経路で侵入されたのか

攻撃が始まったのは10月11日午前6時26分です。攻撃者はログイン画面のJavaScriptファイルを取得し、モバイル向けのページやログイン用のAPIを探し当てました。その後、ディレクトリトラバーサルやSQLインジェクションの確認、大量のログイン試行などを繰り返しています。

同日午後4時39分、添付ファイルを公開するメディアサーバの脆弱性を突かれ、設定ファイル「config.ini」が取得されました。このサーバには、本来見えないはずの内部の場所にたどり着けてしまう「ディレクトリパストラバーサル」の欠陥があったとされています。設定ファイルにはサービス同士のログインに使うシークレットキーが書かれており、攻撃者はこれを使ってアカウントIDを総当たりで試し、ログインできたセッションから内部の情報を取り出しました。

105時間の間に何が起きたのか

運営元が異常に気づいたのは11日午後11時40分で、攻撃開始から約17時間後でした。データベースの負荷が異常に高いことを社内の監視で見つけたのがきっかけです。12日午前3時に侵入経路を遮断し、午前9時半にデータベースのパスワードを変更しました。同日夕方にはWordPressのプラグインが追加されていたことが分かり、管理画面などのパスワードも変えています。

しかし遮断から約21時間後の13日午前0時過ぎ、攻撃者がメール送信を試し始めました。午前1時17分から少しずつ送信が始まり、最終的には1回1000件の規模に膨らみました。この大量送信を受けて、運営元は午前4時10分にバックドアが仕掛けられていたことに気づき、午前7時16分に送信を止めました。外部へ送られたメールは142万3428通で、多くはクレジットカード会社を装って残高確認を求めるような内容だったため、運営元はフィッシング詐欺を疑っています。

経路を塞いでもバックドアが残っていたため、攻撃者は別の入り口から再び操作できた形です。バックドアがいつ、どのように設置されたのかの詳しい説明は、現時点で明らかになっていません。

13日午前には利用者への初報と、侵入を受けたサーバ2台の緊急停止を行い、夕方には攻撃元のIPアドレスを遮断しました。15日午前に改ざんされたデータを手作業で直し、同日午後3時10分に全サービスが復旧しました。検知から約88時間、攻撃開始から約105時間後のことです。

どんな被害・影響が出たのか

漏えいした可能性があるのは、サービス利用者のメールアドレス最大で約313万6000件、消防職員らの連絡先、聴覚や言語に障害がある人向けの119番通報システム「NET119」利用者の個人情報などです。報道では、栃木県警の全職員、福岡県警の約1.1万人、鹿児島県警の約2200人の情報や、福島県北塩原村の3校の情報が流出した可能性も伝えられています。防災メールの停止などを報告した自治体は110以上にのぼり、岡山市などで配信が止まったと報じられました。

また、12日のデータベースのパスワード変更が原因で、消防などの利用先では、外部への情報連携や電話の発信に失敗する、空メール登録の画面にエラーが出るといった不具合も起きていました。

今どうなっているのか

運営元は、社内の調査では安全性を確認できたとしています。社内で構築したLLMを使って全サービスの脆弱性診断とコードレビューを行い、今後は外部の会社による診断や、セキュリティ専門の第三者機関による調査も受ける予定です。データベースのパスワードはサービスごとに分け、2段階認証の導入などを進め、SOCの導入も検討しています。個人情報保護委員会などへ報告済みで、警察と協議したうえで被害届を出す予定です。

出典:ANNnewsCH(YouTube)

注目ポイント

防災メールは住民が災害時に頼る身近な仕組みで、全国の多くの自治体や警察、消防に影響が及んでいる点が関心を集めています。NET119のように、支援を必要とする人が使うシステムの情報まで含まれる可能性があることも重く受け止められています。経路を塞いだ後に別の入り口から再び動かれた経過が分単位で明かされたことで、初動対応の難しさが具体的に伝わる内容になっています。

ネットでの反応

ネット上では、攻撃者が特別な手口ではなく、よく知られた基本的な攻撃を一つずつ積み重ねていた点に目を向ける声が出ています。漏えいの規模や影響の広がりよりも、侵入に至るまでの地道な手順そのものに関心が向いている受け止めも見られます。

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