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AI特需で半導体不足が深刻化、PCやスマホなど個人向け製品に値上げの波

AI特需で半導体不足が深刻化、PCやスマホなど個人向け製品に値上げの波

AIサーバー向けの需要が急増し、メモリやストレージを中心に半導体や電子部品の供給不足と値上がりが続いています。メーカーが企業向けの供給を優先する動きを強めており、パソコンやスマートフォンなど個人向け市場への影響が広がっています。

内容

何が不足しているのか

メモリとストレージの供給不足と値上がりは、2025年10〜12月期ごろから個人向け市場で目立ち始めました。2026年に入っても状況は改善せず、むしろ悪化しています。主な原因は、大手クラウド事業者がAIサーバーを含むデータセンターへの投資を急拡大したことです。大容量のメモリとストレージの需要が短期間で膨らみ、供給が追いついていません。

不足しているのはメモリだけではありません。AIサーバーの基板には電源電圧の変動を抑えるため大量の積層セラミックコンデンサ(MLCC)が使われており、最新世代では1枚に最大1万2,000個と前世代の2倍近くになっています。大容量品の納期は20週を超えています。このほか、電源管理ICやパワー半導体、高精度薄膜抵抗、コンポジットインダクタ、高周波対応の多層プリント基板でも需要が急増し、品薄になっています。ロイターは、高帯域幅メモリ(HBM)の不足が深刻になり、中国のAI半導体メーカーが値上げしたと報じています。

個人向け製品への影響

日経ビジネス電子版は、DRAM価格が3倍になり、ゲームも手が届きにくくなっていると報じています。GIGAZINEは、DDR4メモリの1GBあたりの単価が約2年で10倍近くに上がったと伝え、パソコンの原価に占めるメモリの割合が35%に達しているとも報じています。PC Watchは7月の特集で、パソコンの平均単価が14万円になったと伝えました。スマートフォンについては、400ドル未満の機種の市場が2026年に22%超縮小するとの見方も報じられています。パソコンメーカーの値上げや、ゲーム機への波及も報道されています。

メーカーが企業向けを優先する仕組み

供給不足を受けて、半導体や電子部品のメーカーは企業向けの供給を優先し、個人向けを後回しにする「顧客の選別」を進めています。その代表例が契約方式の変更です。従来は半年から1年ごとに価格を交渉していましたが、最近は3年または5年の供給を保証する代わりに、利用者が一定の価格(たとえば2026年4〜6月期の市場価格)以上で買い続ける長期契約が広がっています。この契約では手付金にあたる「デポジット」も重視されています。米国の大手メモリメーカーは、こうした契約を結んだ顧客が26社に増え、デポジットが320億ドルに達したと9月末の決算で報告しました。業界関係者は、従来の需給の波とは性質が異なる「AIスーパーサイクル」に入ったと説明しています。

いつまで続くのか

市場調査会社の予測として、DRAMとNANDフラッシュの契約価格が2026年10〜12月期も最大20%上がる見通しが報じられています。8月に米国で開かれたメモリ関連のイベントでは、企業向けインフラ投資が2025年から2030年にかけて年率24%で増えるとの予測や、AI向けデータセンターへの投資が2026年に5,000億ドルを超える見通しが示されました。ただし、品薄と値上がりがいつ解消するかは、現時点で明らかになっていません。

消費者は何に気をつければよいか

PC Watchは「待っても安くならない?」と問いかける特集を組んでいますが、購入時期や選び方についての具体的な指針は、現時点で明らかになっていません。

注目ポイント

パソコンやスマートフォン、ゲーム機といった身近な製品の価格に直結するため、多くの人が影響を受ける話題になっています。メーカーが底値を保証させる長期契約によって、これまでのように需給が緩んで価格が下がるという流れが起きにくくなるのかどうかが、今後の焦点です。

ネットでの反応

SNSでは、古い世代のパソコンを使い続けるしかないという声や、中古のノートパソコンを選択肢に挙げる声など、個人としてどう乗り切るかに関心が集まっています。2025年夏ごろの価格に戻ってほしいという要望や、買い時がなかなか来ないことを嘆く声も見られます。

報道が伝えたメーカー側の契約の仕組みについては、デポジットによって需要が落ち込んだ時期でも設備投資を続けやすくなる点を評価しつつ、本当に需要が落ち込む時期が来るのか、来た場合に耐えられるのかを疑問視する受け止めがあります。また、デポジットを伴う取引が製造装置メーカーなどにも広がっているとする投稿もあり、業界の需給の波そのものが変わっていくのではないかという見方も出ています。投資家の関心がAI以外の分野に移り、個人向けの生産が戻ることを期待する声もあります。

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