1時間ごとに更新

いま話題のニュースを、1時間ごとにランキング!

トップ > 社会

社会

米国がICCを組織ごと制裁、茂木外相がルビオ国務長官と電話会談

米国がICCを組織ごと制裁、茂木外相がルビオ国務長官と電話会談

米国のトランプ政権が国際刑事裁判所(ICC)そのものを対象とする大規模な制裁を発表し、国際社会から反発が広がっています。茂木外相はルビオ国務長官と電話で会談して日本の立場を伝え、ノーベル平和賞の受賞が決まった元ICC判事のナビ・ピレイ氏は制裁を「受け入れられない」と批判しています。

内容

米国がICCそのものに制裁

米国のトランプ政権は、オランダ・ハーグにある国際刑事裁判所(ICC)に対し、広い範囲に及ぶ制裁を発表しました。米国はこれまでにICCの判事や職員17人を制裁対象にしていましたが、今回は裁判所そのものを組織として対象にしています。米国の企業や団体がICCと取引することを禁じる内容が含まれており、ICCの資金面での活動を妨げるねらいがあると報じられています。ICCの所長は日本出身の赤根智子氏です。

一方で、制裁の一部には6か月の猶予期間が設けられ、その間は加盟国がICCの運営費を払い続けられます。米国側は、各国が米国の懸念に対応する「解決策」を交渉するための時間だと説明しています。

米国が制裁に踏み切った理由

ルビオ国務長官は、制裁は「米国の主権を守る」ためのものだとし、ICCが米国人を訴追しようとしていると主張しています。ICCを「ならず者の裁判所」と呼び、米国人の訴追は許さないと述べたと報じられています。トランプ政権は、ICCが過去にアフガニスタンでの米兵の行為を捜査したこと(この捜査はすでに終了しています)や、イスラエルのネタニヤフ首相らに逮捕状を出したことに強く反発しています。ただし、今回の制裁には、逮捕状の取り下げを解除の条件とする規定は含まれていません。

ルビオ国務長官と日本政府の対応

茂木外相は10日、赤根所長とルビオ国務長官のそれぞれと電話で会談しました。ルビオ国務長官は会談で制裁の「必要性」を説明し、茂木外相はICC制裁に関する日本の立場を伝えました。両者は今後も意思疎通を続けることを確認しています。日本の立場の具体的な中身や、米国が問題視する点についてどこまで協議したのかは、現時点で明らかになっていません。

日本は英国、カナダ、デンマーク、ドイツ、フランス、イタリア、オランダとともに、米国の決定を遺憾とする立場を示しています。また朝日新聞は9月の段階で、高市首相がICC制裁をめぐって米国に抗議しない理由を報じていました。

国際社会とノーベル平和賞受賞者の反応

ICCは今回の措置を、法の支配と国際的な法秩序の土台に対する攻撃だと非難しています。加盟国でつくるICCの立法機関も制裁の即時撤回を求め、国際社会に対しICCを守るため結束するよう呼びかけました。国連のグテーレス事務総長は、国際刑事司法を追求する取り組みにとって「深刻な打撃」だと述べています。

今年のノーベル平和賞に選ばれた南アフリカ出身の元ICC判事ナビ・ピレイ氏は、平和と国際法の推進への貢献が評価されました。トランプ大統領はこの選考に不満を示しており、制裁はその数時間後に発表されています。ピレイ氏はオスロでのイベントにオンラインで参加し、国際的な裁判所が存続できるのかをめぐって緊張と不安が広がっていると指摘しました。そのうえで、判事が出した司法上の命令だけを理由に一つの国が判事に制裁を科すのは前例がなく受け入れられないとして、制裁を批判しています。

注目ポイント

ICCの所長が日本出身の赤根氏であり、日本は主要な加盟国として米国との同盟関係とICC支持の間で難しい立場に置かれています。6か月の猶予期間のうちに加盟国と米国の交渉がまとまるのか、ICCが資金面で活動を続けられるのかが今後の焦点です。ノーベル平和賞の発表直後に制裁が打ち出された経緯も関心を集めています。

参考記事

ランキング登場履歴

2026年10月12日 9時16位

この記事の内容に誤りを見つけた方は 情報の誤りを報告 からお知らせください。