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ADHDの人は便秘やIBSなど腸の不調が多い傾向、約200万人を分析

ADHDの人は便秘やIBSなど腸の不調が多い傾向、約200万人を分析

イギリスのウォーリック大学が主導した研究で、ADHDと診断された人は定型発達の人より便秘や過敏性腸症候群(IBS)、下痢などの消化器症状が出やすいという結果が示されました。20件を超える研究から約200万人分のデータを統合して分析したものです。研究チームは、ADHDが腸の不調を引き起こすとまでは言えないとしたうえで、医師に消化器症状にも目を向けるよう呼びかけています。

内容

どんな研究か

イギリスのウォーリック大学が主導した研究チームが、ADHD(注意欠如多動症)と消化器症状の関係を調べた論文を発表しました。ADHDは不注意や衝動性を特徴とする発達障害で、世界の成人の2〜4%にみられるといわれています。

研究は、すでに発表されている20件を超える研究の結果をまとめて分析する「系統的レビュー・メタ分析」という方法で行われました。対象は約200万人分のデータで、アメリカ、スウェーデン、ドイツ、韓国など世界各地で集められたものです。年齢層は2歳から65歳までと幅広くなっています。同じ研究の内容は9月にも別の報道で「お腹の不調が約1.5倍」として紹介されていました。

どんな症状がどれくらい多かったか

ADHDと診断された人は、定型発達の人と比べて消化器症状が出る確率が全体で48%高い結果でした。症状ごとの増加は次のとおりです。

  • 消化不良:52%増
  • 過敏性腸症候群(IBS):58%増
  • 腹痛:88%増
  • 便秘:97%増
  • 下痢:118%増
  • 遺糞症(意図せず便が漏れてしまう症状):332%増

筆頭著者のサラ・ブレイク氏は、調べたほぼすべての腸の症状がADHDと関連しているように見えたとし、こうした症状は生活に大きく影響しうるのに、ADHDそのものに注目が集まるあまり見落とされやすいと指摘しています。

どこまでわかったのか

この研究で示されたのは、ADHDと消化器症状が一緒にみられやすいという「関連」です。共著者のサラン・シャンティクマール博士は、ADHDが消化器の問題を引き起こすとは断言できず、関連の正確な原因も特定できていないと説明しています。そのうえで、パターンは注目に値するほどはっきりしているとして、ADHDの患者を診る医師は、生活の質に影響していそうな場合には消化器症状についても尋ねることを検討すべきだと述べています。

考えられている理由

科学系メディアのScienceAlertは、理由の候補として次のような点を挙げています。

  • ADHDに伴うストレス反応の強さが、胃腸を敏感にしている可能性
  • 衝動的な食事や不規則な食事時間
  • 感覚の処理の違いから、甘い食品を好み食物繊維が少ないなど食生活が偏りやすく、腸内細菌の多様性が下がる可能性
  • ADHDの治療薬による消化器への影響
  • ADHDに伴う睡眠の問題が腸に影響する可能性

また、腸と脳が互いに影響し合う「腸脳相関」の研究が進み、ADHDの人の腸内細菌の違いを示す証拠もあるとされています。ただし、どの要因がどの程度関わっているのかは、現時点で明らかになっていません。

出典:Polymarket Japan(@polymarketjapan)(X)

注目ポイント

ADHDは成人の数%にみられるとされ、便秘や腹痛、下痢といった症状も多くの人に身近なものです。そのため、自分や家族に当てはまるかどうかを考える人が多い話題といえます。発達障害は脳の問題として語られることが多いなか、腸という意外な部位との関係が大規模なデータで示された点も関心を集めています。原因が特定されていないため、今後の研究で因果関係がどこまで解明されるかが焦点です。

ネットでの反応

ネット上では、感覚の過敏さやストレスが腸に表れているのではないかという受け止めや、味覚の過敏さによる偏食との関係を指摘する声が目立ちます。食生活の乱れと腸の不調が互いに悪化し合う連鎖を心配する声や、ADHDが原因というより腸や自律神経の不調がADHDに似た状態を生んでいるのではないかと、因果の向きを問う声もあります。

一方で、整腸剤や発酵食品を勧める投稿も多く見られます。研究チームは原因を特定しておらず、医師が消化器症状に目を向けることを提案している段階のため、こうした自己流の対策を勧める受け止めとは論点にずれがあります。受診を先にすべきだという意見も出ています。

このほか、「ADHDの人は不調が多い」といった見方が差別やレッテル貼りにつながることを心配する声や、自分は当てはまらないという体験談、ASD(自閉スペクトラム症)の場合はどうなのかという疑問も寄せられています。

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