トップ > テクノロジー
テクノロジー太陽系外惑星「がか座ベータ星b」から電波を初めて直接検出

内容
どの惑星から、どんな電波が出ていたのか
天文学者のチームが、太陽系の外にある惑星から出た電波を初めて直接検出したと発表しました。CNNが報じています。電波の発生源とみられるのは、恒星「がか座ベータ星」を回る惑星「がか座ベータ星b」です。チームはこの惑星から繰り返し届く電波のバーストを捉えました。
この電波は「オーロラ電波放射」と呼ばれる種類のものです。これまで木星や土星、太陽、太陽系外の恒星、褐色矮星などでは観測されてきましたが、太陽系外の惑星で確認されたのは今回が初めてです。研究成果は9月15日に論文の公開サイト「arXiv」に掲載された論文で報告されました。この論文は査読付き学術誌への掲載を待っている段階で、査読はまだ済んでいません。
惑星までの距離と、どんな惑星か
がか座ベータ星bは地球から約63光年の距離にあり、天文学的には近い天体です(64光年とする報道もあります)。木星の約12倍の質量をもつ巨大ガス惑星で、太陽の1.75倍の質量をもつ若い恒星の周りを回る3つの惑星の一つです。2008年に発見され、その後2019年に「がか座ベータ星c」、2026年に「がか座ベータ星d」が見つかっています。
この惑星系の年齢は約2300万年で、約45億年とされる太陽系と比べると非常に若い天体です。中心の恒星の周りを30個の彗星が回っているほか、ちりや残骸でできた巨大な円盤もあり、銀河系の中でも特に詳しく研究されてきた惑星系の一つです。
なぜ惑星から電波が出るのか
論文の共著者である米ハーバード大学のエド・バーガー教授によると、電波は惑星の磁場に関係する現象、具体的には地球のオーロラに似た現象から生じています。エネルギーの非常に高い粒子が磁場の中をらせん状に動くと、オーロラとともに電波も出ます。木星でも、衛星イオの火山から噴き出した荷電粒子が磁極付近に捕らえられ、光と電波を出しています。
バーガー教授は、今回観測した周波数の電波を出すには非常に強い磁場が必要だと説明しています。この惑星の磁場は少なくとも木星の200倍の強さがあるとしています。磁場の強さを1250ガウス以上とする報道もあります。
何が「初めて」なのか
これまでにも太陽系外の惑星から電波が出ていることをうかがわせる観測はありました。しかし、電波が実際には主星から出ている可能性を否定できず、確認には至っていませんでした。研究に参加していないアムステルダム大学のジョセフ・カリンガム准教授は、電波の発生源を主星ではなく惑星そのものに特定した点が、今回の研究ならではの成果だと評価しています。
生命や居住性とはどうつながるのか
バーガー教授は、電波と聞くと地球外知的生命体の探索を思い浮かべるかもしれないが、今回の信号はそれとはまったく別のものだと強調しています。一般に、磁場をもつ惑星は外から来る有害なエネルギーをそらす盾をもつことになります。地球でも、磁場が太陽風から大気を守っています。ただし、今回の発見がこの惑星や同じ惑星系の居住性、生命の可能性に直接つながるかどうかは、現時点で明らかになっていません。
注目ポイント
「宇宙からの電波」という言葉から地球外生命を連想した人も多いようですが、研究者は知的生命の信号ではないと説明しています。この食い違いも関心を集めている点の一つです。バーガー教授は、磁場は太陽系外惑星の内部の構造や大気を知るうえで重要だと述べ、電波観測によって系外惑星をまったく新しい角度から調べられる可能性があるとしています。論文はまだ査読前のため、今後の査読の結果や、ほかの系外惑星でも同じような電波が見つかるかどうかが焦点になります。
参考記事
- 太陽系外の惑星から電波、初めて検出 強力な磁場の存在示す(1/2)CNN.co.jp 2026年10月10日 13:43
- 太陽系外の惑星から電波 初検出Yahoo!ニュース 2026年10月10日 14:07
- 太陽系外の惑星から電波、初めて検出 強力な磁場の存在示す 2026年10月10日 17:11
今話題の記事
ランキング登場履歴
この記事の内容に誤りを見つけた方は 情報の誤りを報告 からお知らせください。