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楽譜の模倣版を無断公開、約1億6900万円の賠償確定 最高裁が初判断

楽譜の模倣版を無断公開、約1億6900万円の賠償確定 最高裁が初判断

バンド楽曲の楽譜の模倣版をウェブサイトで無断公開したとして、最高裁はサイト運営会社に約1億6900万円の賠償を命じ、楽譜出版社の勝訴が確定しました。著作権法で保護されない制作物の無断利用が民法上の不法行為にあたると最高裁が判断したのは初めてです。

内容

何が起きたのか

最高裁第2小法廷(三浦守裁判長)は10月9日、楽譜出版社がウェブサイトの運営会社を訴えた裁判で、運営会社側の上告を退けました。これにより、約1億6900万円の賠償を命じた2審・東京高裁の判決が確定しました。判断は裁判官4人全員の一致です。1審の東京地裁は、楽譜が模倣されたとは認めず、出版社側の請求を退けていました。

どんな楽譜が、どのように公開されたのか

問題になったのは、バンド楽曲の音源を聞いて書き起こした楽譜(バンドスコア)です。原告の出版社は、日本音楽著作権協会(JASRAC)の許諾を得たうえで、こうした楽譜を販売してきました。

被告の運営会社は、この出版社から楽譜を購入していました。そして2011年12月から2018年6月にかけて、579曲分の模倣版を自社のサイトで公開し、広告収入を得ていました。出版社側は、これによって売り上げが大きく落ち込んだとして、5億円の賠償を求めていました。

最高裁は何を初めて判断したのか

報道によると、楽譜のように著作権法で保護されない制作物について、無断利用が民法上の不法行為にあたると最高裁が判断したのは今回が初めてです。

この種の制作物については、2011年の最高裁判決が「特段の事情」があれば不法行為になりうると示していました。ただ、どのような場合がこれにあたるのかは明確ではなく、今回の裁判の焦点になっていました。

今回、最高裁は次のような基準を示しました。自由競争の範囲を超えて営業を妨げ、営業上の利益を侵害したといえる場合は「特段の事情」にあたり、不法行為が成立するというものです。

なぜ賠償が命じられたのか

最高裁は、出版社が多くの費用・労力・時間をかけて楽譜を作り、その販売によって費用を回収する形で営業していた点を指摘しました。そのうえで、運営会社が579曲分の模倣版で広告収入を得て出版社の顧客を奪ったことを、「著しく不公正な手段」で営業上の利益を侵害したものと結論づけました。

なお、賠償額が約1億6900万円となった具体的な算定の根拠は、現時点で明らかになっていません。

楽譜を書き写して公開すると著作権侵害になるのか

報道によると、今回の楽譜は著作権法で保護される対象ではありません。そのため今回の判決は、著作権侵害としてではなく、民法上の不法行為として賠償責任を認めたものです。

どのような書き写しや公開が問題になるのか、一般的な線引きは現時点で明らかになっていません。判決は、著作物でなくても悪質なただ乗りには賠償責任が生じうると示した形です。

出典:なつばやし natsubayashi(YouTube)

注目ポイント

学園祭のコピーバンドなど、身近な楽器演奏で使われる楽譜をめぐる判決であることが関心を集めています。著作権の対象外でも、作り手の労力へのただ乗りが賠償の対象になると最高裁が示した点は、意外に受け止められています。報道は、生成AIによって制作物の模倣が容易になるなか、作り手が権利侵害を訴える訴訟に影響する可能性も指摘しています。今後の司法判断が注目されています。

ネットでの反応

ネット上では、「楽譜は著作権法で保護されない」という点に驚く声や、違和感を示す声が多く見られます。一方で、楽曲を耳で聞いて書き起こすこと自体が違法になったと受け止める反応もありました。これに対しては、問題になったのは他者が作って販売した楽譜を模倣して無料公開した点だ、と整理する声も上がっています。

報道が生成AIとの関係に触れたことから、議論はAIにも広がっています。AIで音源から楽譜を起こせる時代に判決がどこまで効くのかを疑問視する声がある一方、作り手を守る判断として評価し、AIの無断学習の規制と結びつけて論じる意見も出ています。また、将棋の棋譜配信をめぐる過去の事例と似ていると指摘する声も見られます。

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2026年10月10日 14時17位

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