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経済米テネシー州で死刑執行を生き延びた死刑囚、意識回復し会話

内容
何が起きたのか
米テネシー州ナッシュヴィルの刑務所で9月30日夜、クリスタ・パイク死刑囚(50)の死刑執行が始まりました。致死量の薬物が2回注射されましたが死亡に至らず、執行は失敗に終わり、同死刑囚は病院へ運ばれました。病院では体内の薬物を排出する治療が行われ、数日間は意識が戻らない状態でした。パイク死刑囚は1996年、職業訓練キャンプで出会った当時19歳の女性コリーン・スレマーさんを、当時の恋人と共に暴行し殺害したとして死刑判決を受けていました。事件当時、本人は18歳でした。
なぜ生き延びたのか
当局は、執行のどこに問題があったのかを説明していません。弁護団に助言する麻酔科医のジョエル・ジヴォット医師は、投与されたペントバルビタールが血管ではなく皮下組織に広がった可能性が高いとの見方を示しています。弁護団は執行前から、血小板が多い体質であることや静脈が細いことなどを挙げ、不必要な苦痛を受けるおそれがあると訴えていました。米フォーダム大学ロースクールのデボラ・デノ教授によると、執行を生き延びた例は過去に7件ありますが、いずれも薬物が静脈に入っていなかったケースで、薬物が実際に注射されたうえで助かったのはパイク死刑囚だけだといいます。
意識回復後の状態
弁護団は10月6日、本人に意識があり会話もできると発表しました。報道によると、意識が戻った直後には「ここはどこ、あなたは誰?」と口にしたと弁護士が明かしており、現在は怒りと混乱の中にあると伝えられています。弁護士は脳死状態だと思っていたため、回復には誰もが驚いたと話しています。一方で、手錠をかけられたまま集中治療が続いており、両腕に深刻な損傷を負ったほか、重い後遺症に苦しんでいるとも報じられています。弁護団は今後の見通しは不透明で、長い回復期間が必要になるとみています。ジヴォット医師も、大きな危険が去ったとは言えないとしています。
今後どうなるのか
同じ死刑囚に対して再び死刑を執行するかどうかについて、当局は明らかにしていません。再執行が憲法違反にあたる可能性を指摘する専門家の解説も出ていますが、結論は出ていません。テネシー州のビル・リー知事は、年内に予定していたすべての死刑執行を一時停止するよう命じ、州の刑務所当局のトップは辞任の意向を示しました。同州では今年5月にも、静脈が見つからず別の死刑囚の執行が1年延期されています。なお、テキサス州では今回の失敗後、米国で初めてとなる死刑が執行されました。
注目ポイント
致死量の薬物が体内に入りながら生存した例は前例が無いとされ、医学的にも法的にも先行きが見えない点に関心が集まっています。同じ人物に再び死刑を執行できるのかという問題は、薬物による執行方法そのものの是非にもつながる論点です。米国の死刑情報センターは、2022年の執行の3割以上で失敗や重大な問題があったとしており、執行手続きの信頼性も問われています。
ネットでの反応
ネット上では、死から生還する漫画のエピソードになぞらえる声や、助かったことを神の許しのように受け止める人もいるのではないかという声が見られます。恩赦の可能性に触れる投稿もありますが、報道では恩赦について伝えられていません。報道が焦点としている執行手続きの問題や再執行の是非よりも、生き延びたこと自体の意外さに反応が集まっており、言葉に詰まるような戸惑いの声もあります。
参考記事
- 死刑執行を生き延びた米死刑囚、意識回復し会話 弁護団が発表 2026年10月7日 16:10
- 米死刑囚、「怒り、混乱した状態」と弁護団 死刑執行を生き延びBBC 2026年10月8日 14:53
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