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経済8月の実質賃金1.5%増、8か月連続プラス 約10年ぶりの長さに

内容
実質賃金は8か月連続で前年を上回る
厚生労働省が10月7日に発表した8月の毎月勤労統計調査(速報、従業員5人以上の事業所)によると、物価の変動を差し引いた1人あたりの実質賃金は前年同月比で1.5%増えました。プラスは8か月連続です。これほど長く増加が続くのは、2016年2月から2017年1月まで12か月連続で伸びて以来で、約10年ぶりとなります。
直近の推移を見ると、4月は1.9%増、5月は1.4%増、7月は2.4%増と、今年はプラスが続いています。一方で、2025年度全体では0.5%減と4年連続のマイナスで、物価高に賃上げが追いつかない状態が続いていました。
名目賃金は3.8%増、基本給が押し上げ
働く人1人あたりの現金給与総額(名目賃金)は31万1364円で、前年同月より3.8%増えました。4年8か月連続のプラスで、伸び率が3%以上となる月が7か月続くのは1992年3月以来、34年5か月ぶりです。
伸びをけん引したのは基本給にあたる所定内給与で、27万7861円と3.8%増えました。2026年の春闘での賃上げや、2025年の最低賃金引き上げの効果が広がったとみられています。ただ、業種別や企業規模別にどこまで賃上げが広がっているかは、現時点で明らかになっていません。春闘をめぐっては、中小企業への波及が弱まっているとの指摘も報じられています。
物価の伸びは2.2%、政策で抑えられた面も
実質賃金を計算する際に用いる消費者物価指数(持ち家の帰属家賃を除く総合)は、8月に前年同月比2.2%上がりました。上昇幅は7月と同じです。前年より物価上昇のペースが緩やかになったことが、賃金の伸びが物価を上回る一因になっています。ただし、ガソリンや電気・ガス料金を抑える政府の施策が働いており、物価上昇率はその分低めに出ています。物価高が収まったとまでは言えない状況です。
なお、厚労省は2025年3月分から、消費者物価の総合指数を使って実質賃金を計算する新しい方式も導入しています。この方式で計算した8月の実質賃金は1.9%増で、従来の方式より0.4ポイント高くなりました。
労働時間と今後の見通し
総実労働時間は129.8時間で0.5%増えました。一般労働者は153.4時間(0.6%増)、パートタイム労働者は77.7時間(0.2%減)でした。
この好調が続くかどうかについては、2027年に実質賃金が再び下落する可能性があるとの報道もありますが、具体的な見通しは確定していません。また、賃金の伸びが家計の購買力や生活水準の改善にどの程度つながっているか、デフレ脱却や経済政策の転換とどう関わっているかについては、現時点で明らかになっていません。
注目ポイント
実質賃金は働く人の多くに関わる指標で、長くマイナスが続いていた流れが変わりつつある点に関心が集まっています。一方で、物価上昇率は政府の支援策で抑えられている面があり、支援が終わった後も賃金の伸びが物価を上回り続けるかが焦点です。中小企業まで賃上げが行き渡るかどうかも、今後を左右するポイントとして挙げられています。
参考記事
- 8月の実質賃金1.5%増、8カ月連続プラス 賃上げが波及日本経済新聞 2026年10月7日 08:30
- 8月の実質賃金 前年同月比1.5%増 8か月連続プラス 2026年10月7日 10:11
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