トップ > 社会
社会遺品販売の約4500円の絵、アバクロンビー作と判明し約2億円で落札

内容
誰の作品だったのか
米国のエステートセール(遺品販売)で30ドル、日本円で約4500円で売られていた油絵は、シュールレアリスム画家ガートルード・アバクロンビーの静物画「オルダーマン・メリアムズ・シェルズ」だと専門家によって特定されました。CNNが伝えています。アバクロンビーは米国美術界で「ボヘミアンの女王」とも呼ばれた画家で、ほぼ独学で絵を身につけ、夢の中のような幻想的な画風で知られています。1977年に亡くなっています。
作品は縦約20センチ、横約28センチの小さなもので、1951年に描かれました。画面には、アバクロンビーが好んで取り上げた貝殻が10個描かれています。完成後の2年間で6回の個展に出され、当時は50〜150ドルほどの価格が付いていました。
なぜ4千円台で売られていたのか
アバクロンビーはこの絵を売らず、診療のお礼としてミシガン州カラマズーの医師に贈りました。医師が亡くなった後は遺産として代々引き継がれ、今年7月の遺品販売に出されました。売りに出された時点で作者が把握されていたかどうかは、現時点で明らかになっていません。
販売会場では、絵はガレージへ向かう廊下の奥の「暗い片隅」に置かれており、その日に訪れた人のほとんどが目を留めなかったとされています。作品が人目に触れなくなってから、75年近くがたっていました。
価値に気づいた購入者
購入したのは、レコードやミッドセンチュリー家具を長く集めてきた人物で、名前は公表されていません。この人物は、背景の暗い色にまぎれて読み取りにくかった署名「Abercrombie, '51」を見つけ、30ドルで買ってみることにしたといいます。
その後、家族旅行の行き先を変えて、アバクロンビー展を開いていたミルウォーキー美術館へ足を運びました。展覧会のカタログを確認したところ、1952年の新聞記事の切り抜きに、この絵とモデルになった実際の貝殻が一緒に写った写真が載っていたということです。
購入者は展覧会の協賛に加わっていた競売会社に作品を持ち込み、アバクロンビー研究者であるルーズベルト大学のスーザン・ワイニンガー教授が本物と判断しました。額縁も制作当時のものだと確認されています。
2億円まで値が上がった理由
競売会社は落札予想額を15万〜25万ドルとしていましたが、1日に行われたオークションでは入札がこれを大きく上回り、135万ドルを超えました。それまでのアバクロンビー作品の最高落札額は、昨年に売られた「メッセージ・フォー・マーシー」の102万ドルで、今回これを塗り替えました。高く評価された理由について、競売会社が詳しく説明した内容は伝えられていません。
競売会社の幹部は、展覧会の来場者に「アバクロンビーの作品が遺品販売にまれに出てくることがある」と話していたそうで、それが1カ月もたたないうちに本当に起きたことに驚いたと語っています。
今後の行方
落札したのが誰か、今後どこで保管・展示されるのかは、現時点で明らかになっていません。
注目ポイント
購入額の約4500円が、およそ300倍の約2億1300万円に化けたという金額の差の大きさが関心を集めています。会場に来たほかの人が気づかなかった絵を、署名ひとつを手がかりに見つけ出し、美術館で裏付けまで取った購入者の行動も話題になっています。医師への贈り物として家に残り、およそ75年ぶりに表舞台へ戻ってきた作品の来歴にも注目が集まっています。
参考記事
- 住宅の「暗い片隅」に追いやられていた4500円の絵画、2億円で落札 米CNN.jp 2026年10月6日 12:20
- 4千円台の絵画が2億円で落札 米Yahoo!ニュース 2026年10月6日 12:10
今話題の記事
ランキング登場履歴
| 2026年10月6日 16時 | 11位 |
| 2026年10月6日 15時 | 3位 |
この記事の内容に誤りを見つけた方は 情報の誤りを報告 からお知らせください。