1時間ごとに更新

いま話題のニュースを、1時間ごとにランキング!

トップ > 経済

経済

鶏肉を次工程へ手渡しで歩留まり向上 自動車の改善手法を食品工場に

鶏肉を次工程へ手渡しで歩留まり向上 自動車の改善手法を食品工場に

自動車メーカーで生産技術に16年携わった筆者が、食品工場で手がけた4つの改善事例を紹介する記事が話題になっています。鶏肉を切った人がそのまま次工程へ運ぶことで歩留まりが上がった例などが示され、手法よりも背後の考え方を読み取ってほしいと呼びかけています。

内容

自動車メーカーで16年にわたり生産技術や現場改善を担当した筆者が、食品工場向けの連載記事で改善事例を紹介しています。この連載は、自動車の現場では常識になっている考え方が食品の現場にはまだ根付いていない点に着目し、生産性に悩む食品メーカーの経営者にヒントを示すものです。今回は、筆者自身が手がけた4つの事例が取り上げられました。

改善の目的と考え方

筆者によると、利益を増やす方法は売上を伸ばすか原価を下げるかの2つしかありません。このうち自社で管理しやすい原価低減から始めるべきだとしています。ここでいう原価低減は、量や品質を削ることではなく、工場内のムダをなくすことを指します。

人手に余裕が出た場合は、最も優秀な人を現場から外して改善役に回すよう勧めています。残ったメンバーから次のリーダーが育ち、新製品への挑戦や売上の増加にもつながるという考えです。また、同じ製品でも設備や人によって適した手法は変わるため、手法そのものよりも背後にある考え方を読み取ってほしいと呼びかけています。

事例1:鶏肉を次工程へ手渡し

唐揚げ用の鶏肉を切る作業は6人が担当し、粉付けと冷凍機への投入は1人で行っていました。切る速さのほうが上回っていたため、冷凍の手前には1〜2時間分の鶏肉がたまっていました。その間に肉の水分が流れ出て、歩留まりや揚げた後のジューシーさが落ちていました。さらに、異物混入のおそれや、保管容器(番重)の洗浄・管理にかかるコストも生じていました。切り方が不十分な肉が見つかっても、誰がいつ切ったものか追えない状態でした。

そこで、ボウル1杯分を切り終えるたびに、切った本人が次工程まで運ぶ形に変更しました。すると後工程で手が止まる人が出たため、作業の早かった2人を新製品の担当に移しました。滞留がなくなったことで番重は不要になり、切ってすぐ冷凍されるため歩留まりと食感が向上したとしています。歩留まりの向上が金額にしてどの程度の効果になったのかは、現時点で明らかになっていません。

事例2:魚のパック詰めを1人で

2人で行っていた魚のパック詰めでは、箱詰めの担当者が毎回1〜2秒ほど製品が届くのを待っていました。そこで出口に5パック分をためられるローラーコンベヤーを設け、1人が5パックを投入したあと出口へ移動して箱詰めまで行う方式に変えました。これにより2人分の作業を1人でこなせるようになりました。手が空いた1人は、リーダーとして他部署の改善に携わっています。筆者は、コンベヤーの陰に隠れたわずかな待ち時間も、1日分積み重なれば1人分になると指摘しています。

事例3:弁当詰めを15食単位に

弁当の取扱量が1.5倍に増える見込みとなり、作業台を広げる大がかりなレイアウト変更が計画されていました。筆者は台を広げる代わりに、15食ずつ全品を詰めてから蓋をする方式に改めることを提案しました。その結果、工事が不要になりました。目の届く範囲で作業できるようになったため、入れ忘れの苦情もなくなりました。同じ作業を繰り返すうちに手順が磨かれ、生産性は20%向上したとしています。

事例4:納豆工場で扱う単位をそろえる

約20人が働く納豆工場では、工程ごとに扱う単位がばらばらでした。蒸す量は約5000パック、運搬は48パック、出荷は36パックです。このため工程の間に数時間分の仕掛品がたまっていました。そこで出荷単位の36パックを基準に、各工程で扱う量をその倍数にそろえ、運搬も36パックに減らしました。工程間でタイミングを合わせやすくなって管理の手間が減り、管理者はその分の時間を改善活動に充てられるようになったといいます。

出典:MONOist【公式】(@MONOist_itmedia)(X)

注目ポイント

注目されているのは、運ぶ量をあえて減らす、作業台を広げずに作業単位を分けるなど、一見すると効率が落ちそうな方法で成果が出ている点です。また筆者は、改善で浮いた人を削減するのではなく、最も優秀な人を新たな役割に回すとしています。原価低減を人材育成や新たな挑戦につなげるというこの考え方も、関心を集めています。

ネットでの反応

ネット上では、まったく違う分野の仕事をしている人からも、自分の仕事に置き換えて考えられて参考になるという声が多く見られます。改善で浮いた優秀な人に広い役割を任せるという考え方や、人が育つ流れをつくるという結びの言葉に共感する反応もあります。

一方で、働く側の負担を気にする声も目立ちます。改善によって作業がきつくなったり、移動が増えたりすることへの懸念が挙がっています。使う手まで決めるような作業の決め方に、仕事の余裕がなくなるのではと疑問を持つ人もいます。不要になる人が出るため、現場は改善に乗り気になりにくいという意見もありました。ほかにも、粉付けの工程がもともと詰まる原因だったのではという指摘や、魚の事例では移動の間に作業が止まるのではという疑問が出ています。人手不足の中では、生産性よりも人員の確保が課題だという見方もあります。

記事は手法よりも背後の考え方を読み取ってほしいと呼びかけていますが、受け止めの多くは個々の手法の細部や、現場で働く人の負担に向いています。

参考記事

ランキング登場履歴

2026年10月7日 6時18位
2026年10月6日 23時16位
2026年10月6日 22時20位
2026年10月6日 21時18位
2026年10月6日 19時20位
2026年10月6日 17時18位
2026年10月6日 15時20位
2026年10月6日 14時19位
2026年10月6日 13時16位
2026年10月6日 12時18位
2026年10月6日 11時18位

この記事の内容に誤りを見つけた方は 情報の誤りを報告 からお知らせください。