トップ > 経済
経済人手不足倒産が上半期240件で過去最多、賃上げ倒産は1.7倍に

内容
上半期で過去最多の240件
東京商工リサーチによると、2026年度上半期(4〜9月)の「人手不足」を原因とする倒産は240件でした。前年同期の205件から17.0%増え、調査を始めた2013年以降の年度上半期として最多を更新しました。コロナ禍だった2021年度同期の26件を底に、5年連続で前年同期を上回っています。
同社は、人件費の上昇に耐えられないことなどを背景にした「賃上げ倒産」が1.7倍に増えたとして、深刻な「賃上げ疲れ」が広がっていると伝えています。企業がどの程度の賃上げをして経営が苦しくなったのか、具体的な賃上げ幅は現時点で明らかになっていません。
どんな業種・規模で起きているか
今回の上半期分について、業種別・規模別の内訳は現時点で明らかになっていません。ほかの調査では、次のような傾向が報じられています。
- 帝国データバンクが2026年1月に公表した調査では、人手不足倒産が年間427件となり、初めて400件を超えて3年連続で過去最多を更新しました。建設業と物流業で多い状態が続き、小規模企業への影響が大きいとされています。
- 建設業の人手不足倒産が過去最多になったことも報じられています。
- 帝国データバンクは、賃上げができずに人材が流出する「賃上げ難型」の人手不足倒産に警戒を呼びかけています。
従業員の退職が引き金になる倒産も増加
2026年8月には、従業員の退職をきっかけとする倒産が5年連続で増え、過去最多のペースで推移していると報じられました。「賃上げできず人材が流出して倒産」に至ったケースは83件と伝えられています。5月には、賃上げの負担による倒産が4月として最多になったことも報じられました。
2025年11月には最低賃金が71円引き上げられた際、宮崎の中小企業家同友会が「倒産が増える」と懸念を示し、企業側にとって「限界に近い賃上げ率」だとの声が上がっていました。
賃上げ以外の対策と今後の見通し
東京商工リサーチは別の調査で、人手不足倒産の「予備軍」にあたる企業について、今後は「人材採用力」の強化が事業を続けるカギになるとしています。賃上げ以外の具体的な対策や、倒産の増加が今後どこまで続くのか、対策で改善するのかといった見通しは、現時点で明らかになっていません。
注目ポイント
賃上げが社会全体で求められる一方で、その負担に耐えられない企業が退場していくという構図が、数字ではっきり示された点に関心が集まっています。建設や物流など生活を支える業種で影響が目立つため、働く人だけでなくサービスを利用する側にとっても身近な問題です。最低賃金の引き上げが続くなかで、この流れが今後も強まるのかが焦点になっています。
ネットでの反応
ネット上では、倒産が過去最多になったことを「当たり前」と受け止める投稿が広がっています。十分な賃金を払えない企業が退場するのはやむを得ないという見方がある一方で、誠実に経営してきた会社や地域の小さな店が消えることを惜しむ声も見られます。
報道は「賃上げ疲れ」という言葉で伝えていますが、そもそも疲れるほど賃上げしておらず、従業員に去られた結果ではないかという受け止めもあります。原因は賃上げそのものより、上がった人件費を価格に転嫁できないことにあるという指摘や、円安や国際情勢によるコスト増も重なっているという声も出ています。
また、建設や物流などインフラを担う企業が減れば仕事の担い手がいなくなり、価格もさらに上がるのではないかという懸念があります。企業が市場から退出するのは仕方がないとしても、職を失った人が再起できる支えが必要だという意見も見られます。
参考記事
- 年度上半期の「人手不足」倒産 過去最多の240件 深刻な“賃上げ疲れ”、『賃上げ倒産』が1.7倍に増加 | TSRデータインサイト東京商工リサーチ 2026年10月5日 19:02
今話題の記事
ランキング登場履歴
この記事の内容に誤りを見つけた方は 情報の誤りを報告 からお知らせください。