1時間ごとに更新

いま話題のニュースを、1時間ごとにランキング!

トップ > 経済

経済

日本の15歳がPISAでOECD首位、フィンランドの順位低下と暗記の役割

日本の15歳がPISAでOECD首位、フィンランドの順位低下と暗記の役割

OECDの2025年国際学習到達度調査(PISA)で、日本の15歳が科学・数学・読解の3分野すべてでOECD加盟国の首位になりました。一方、かつて「学力世界一」と呼ばれたフィンランドは順位を大きく下げており、基礎知識の習得を重視するかどうかが明暗を分けたという論考が関心を集めています。

内容

どのような調査の結果なのか

経済協力開発機構(OECD)は9月8日、15歳を対象とした2025年の学習到達度調査(PISA)の結果を発表しました。調査分野は「科学的リテラシー」「数学的リテラシー」「読解力」の3つです。OECD加盟国の平均成績は、3分野すべてで過去最低となりました。

そうした中で、日本は3分野すべてでOECD加盟国の首位になりました。3分野がそろって首位になるのは調査が始まってから初めてです。日本より上位にいるのは、シンガポール、中国、台湾など、OECDに加盟していない東アジアの国・地域だけです。非加盟国を含めた順位について、日本経済新聞は数学と科学が5位、読解が4位と報じています。

一方で、課題も報じられています。時事通信は、短い文章の読解が苦手で、得点の低い層が増えたと伝えています。読売新聞は、義務教育の基礎が身についていない生徒の割合が全分野で増えたと報じました。朝日新聞は読解力の後退とAIの利用頻度の低さを、nippon.comと日本経済新聞は好奇心や意欲の低さを取り上げています。

フィンランドはなぜ順位を下げたのか

フィンランドは今回、数学で22位、読解力で16位でした。遊びや自分で調べる活動を通じた学び、テストの削減などで知られる「フィンランド式教育」はかつて称賛され、日本でも注目されました。しかし、2006年以降の成績の下がり方は、3教科すべてで先進国の中で最も大きくなっています。

英紙フィナンシャル・タイムズは今回の結果を分析し、基礎知識の習得を軽く見る教育を取り入れた国ほど、長期的な学力の低下がはっきり表れていると指摘しています。1990年代のスウェーデンのゆとり教育や、2010年にスコットランドが導入した新しいカリキュラムも、その後の学力低下の要因とされています。

評論家の白川司さんは、フィンランドが2000年代に好成績を収めた背景には、自主性を重視する方針に転換する前に身につけた、暗記を重んじる基礎学力の蓄えがあった可能性があると論じています。その蓄えが少しずつ失われた結果が表れたのではないか、という見方です。ただし、これは白川さんの見解であり、原因が確定しているわけではありません。なお読売新聞は2025年に、デジタル化を進めたフィンランドで成績の低下や心身の不調が表面化し、紙の教科書が復活したと報じています。

日本では何が変わったのか

日本も「ゆとり教育」の時期に、2003年と2006年のPISAで順位を下げました。この出来事は「PISAショック」と呼ばれています。これを受けて日本は学力重視へと方針を改め、2008年の学習指導要領改訂で授業時間と学習内容を増やしました。成績は2009年から回復し始めています。白川さんは、日本は方針を引き返し、フィンランドは引き返さなかったことが、約20年後の差の一因になった可能性があるとみています。

丸暗記そのものが効果的だと示す直接の根拠は、主に国ごとの成績の推移と、それに対する分析や論考です。学力差の要因が科学的に特定されたわけではありません。また、白川さんは、短い文章を速く正確に読む力は国を問わず低下傾向にあるとも指摘しています。今回の結果が今後の日本の教育政策にどう影響するかは、現時点で明らかになっていません。

注目ポイント

9月のPISAの結果発表に続いて、10月2日に「丸暗記では学力がつかない」という通説を否定する見出しの論考が配信され、関心が再び高まりました。かつて日本の手本とされたフィンランドとの立場の逆転は、意外性があります。また、暗記と思考力のどちらを重視するかという問題は、学校や家庭での学び方に直結するため、多くの人が自分のこととして受け止めやすい話題です。

ネットでの反応

ネット上では、ある程度覚えていないと応用や思考ができないという意見が多く見られます。暗記をスポーツの体力づくりにたとえ、目的ではないが欠かせないものだとする声や、まず基礎を固めてから自主性を伸ばすのは当然の順序だという受け止めが目立ちます。

一方で、基礎段階では暗記が有効でも、学年が上がると丸暗記だけでは成績が伸び悩むという反論もあります。また、論考の筆者は丸暗記だけを勧めているわけではなく、見出しが内容より強い表現になっているという指摘もあります。暗記と理解は簡単に分けられるものではないという意見も見られます。報道では低得点層の増加や好奇心の低さといった課題も伝えられていますが、反応の多くは暗記の是非に集中しています。

参考記事

ランキング登場履歴

2026年10月5日 21時15位
2026年10月5日 20時14位
2026年10月5日 19時18位
2026年10月5日 18時16位
2026年10月5日 17時14位
2026年10月5日 16時11位
2026年10月5日 15時17位
2026年10月5日 14時20位

この記事の内容に誤りを見つけた方は 情報の誤りを報告 からお知らせください。